マネとモダン・パリ展

三菱一号館美術館で7月25日まで開催中の開館記念展<I>マネとモダン・パリに行ってきました。
赤レンガの外壁がとっても雰囲気のある美術館ですが、明治27年に竣工された丸の内最初のオフィスビル「三菱一号館」を当初の図面などを元に忠実に復元しているそうです。向かいにある近代的な高層ビル(丸の内パークビル)とは中庭の植栽でゆるやかに違和感なくつながっていて、美術館の入り口付近は明治と現代が融合したような不思議な空間です。
マネの油彩、素描、版画80点余りと当時の変貌するパリを同時代の作家の油彩、建築素描、彫刻、写真など約80点も合わせて展示されていて充実したものでした。名画に対する知識はありませんが、本物の芸術が放つオーラは素人の私でも十分感じられます。印刷物や画面だけでは駄目ですね、やっぱり時々本物を見ておかないと・・・。ちなみに来場者は年配の女性の方が大半でした。
マネの作品ではないですが、個人的には大きな紙にペンと黒インク、水彩で描かれたパリ万博の産業館の透視図や断面図などのスケッチを見れたのが良かったなー。当時のクリエーターはCADなんかなくてもあれだけ緻密なイメージを自分の手だけで表現していたんだと気づかされます。巨大な建築のスケッチなので、遠くの方は淡い色彩になっていてスケール感だけでなく空気感や奥行き感も図面に表現しているんですよ。でも、あの入り組んだ鉄骨のアーチのペン入れってどうやったんだろう?1本1本違う曲率の定規をこの図面の為に制作したのかなぁ?
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三菱一号館美術館 開館記念展<I> マネとモダン・パリ